「縮毛矯正はなぜ痛むのか?」縮毛矯正の失敗とダメージについて解説します。
『縮毛矯正の失敗とダメージについて』リアルな経験から縮毛矯正専門美容師として徹底解説します。
・縮毛矯正とは
還元剤を使用した二浴式パーマネントウエーブの仕組みを利用し、髪を直毛にする美容技術を指します。
大きな特徴は、1剤による還元後にドライヤーやストレートアイロンを使用し、
クリープ作用を促し髪を乾燥状態にすることで水素結合の効果を利用し髪を直毛にします。
その状態のまま2剤の酸化剤により固定をします。
この技術を利用して、髪のクセやパーマによるウェーブを直毛にする美容室でのメニューを縮毛矯正といいます。
・くせ毛の種類

◉縮毛・・くせ毛の代表的な毛。髪自体に凹凸があり広がりやすく、パサつきやすい。硬毛・多毛・くせは強い・白髪。
◉捻転毛・・大小のウェーブが混じりコイル状にねじれて、ボリュームが出やすい。パーマをかけたようなカールの場合もある。外国人に多いタイプ。軟毛・乾燥・細毛
◉波状毛・・波のようにうねりのあるクセ毛。全体にツヤがあり広がりやすい。クセの印象は弱め。日本人に多いクセのタイプ。多毛・黒。
◉連珠毛・・髪が数珠のように粒がつながっているように見えるくせ毛。全体的にザラザラしていて光を乱反射するのでツヤがない。他のくせ毛と組み合わさっている場合が多い。硬毛・多毛・黒髪・白髪に多い。
・縮毛矯正のダメージの原因
❶『薬剤によるダメージ』と❷『熱によるダメージ』の2つがあります。
❶ 薬剤によるダメージ
パーマ剤の成分はざっくり言うと、水・アルカリ剤・還元剤・保湿剤・保存料・香料のミックスになります。
この中で髪のダメージに直接原因になるのが、アルカリ剤です。
代表されるアルカリ剤はアンモニア・モノエタノールです。
アルカリ剤の役割は、髪を守るキューティクルを広げ、還元剤を髪の内側に浸透させるために使用します。
この際に起こるキューティクルの剥離・溶解が、髪の防御機能の減少させダメージヘアの原因を作ります。
もう一つが還元剤によるタンパク質の切断(還元作用)によるダメージです。
髪の持っているタンパク質の量を体力として例えた時に、
体力を上回る還元作用が髪の中で起こると、髪はダメージを負います。
この二つのダメージを薬剤によるダメージ『ケミカルダメージ』と呼んでいます。
❷ 熱によるダメージ
縮毛矯正の薬剤処理の次の工程の『ドライヤーとアイロンによる熱作用と水素結合を利用したストレート効果』の
際に起こるダメージがあります。
薬剤を流した後に髪をブローして乾かします。
この後アイロンで髪をストレートにしながら髪の水分を蒸発させるのですが、
この際に髪の中の水分量が基準値を超えている場合に、
髪の中の水分の蒸発が髪の中にダメージを引き起こすことがあります。
これを『水蒸気爆発』と言います。
湿度が多い場合の熱は、髪のタンパク質を著しくダメージさせます。
自身の経験から見ても、前記のケミカルダメージより水蒸気爆発の方が、髪へのダメージは強いと思います。
・縮毛矯正の失敗とは・・・
縮毛矯正の失敗は、⑴ 縮毛矯正のかかりが甘い ⑵ 髪が痛んでチリチリになった!の2つがあります。
⑴ 縮毛矯正のかかりが甘い場合
【クセ毛の種類】で説明しましたが、くせ毛は4種類あります。
実際の人の髪は、4種類のクセがそれぞれがミックスされている場合が多く、
それに加えて髪の硬さ・太さ・毛量・ダメージということを考慮して、薬剤の強さと時間の調整をします。
それが髪の強さに合わないときに、髪のタンパク質の還元が弱く、
クセ毛の矯正が足りない状態で仕上がってしまう場合にかかりが甘いという失敗になります。
⑵髪が痛んでチリチリになった場合
【縮毛矯正のダメージの原因】で説明した“ケミカルダメージ“と“水蒸気爆発“のどちらか、
もしくは両方が原因で、髪をチリチリにしてしまいます。
“ケミカルダメージ“によるチリチリは、髪が溶けてタンパク質が流出してしまった髪なので、
髪が濡れると柔らかくなり切れ毛になります。
“水蒸気爆発“によるチリチリは、髪の中で水分が蒸発するときに体積が増えて、髪の中を膨らませて爆発して起こります。
髪が乾くと、とうもろこしの先のヒゲのようにパサパサのボサボサになります。
・ダメージレスの縮毛矯正について
縮毛矯正がダメージを伴う原因をご説明しました。
ダメージレスの縮毛矯正をご説明します。
1、酸性タイプの縮毛矯正・・・アルカリ剤を使用していない酸性タイプ。キューティクルを壊すことがないので、髪のダメージを最小限に抑えることができる。酸性領域の還元剤を使用するので、軟化をしない。還元力と質感の問題がある。時間がかかる場合が多い。ダメージヘアでもできる。強いくせ毛には効かない場合もある。
2、中性タイプの縮毛矯正・・・アルカリ剤を使用していない中性タイプ。キューティクルを壊すことがないので、髪のダメージを抑えることができる。中性領域の還元剤を使用するので、軟化が小さい。還元力と質感の問題がある。時間がかかる場合が多い。ダメージヘアでもできる。強いくせ毛には効かない場合もある。
3、アルカリ性タイプの縮毛矯正・・・アルカリ剤を使用するが、髪のクセの強さ・クセの種類・ダメージに合わせて薬剤を調整し、最適な時間で髪を壊すことなく髪の毛にジャストな還元をする。時間と強さとかかりのバランスを取ることの難しさは、経験と学習からなので、美容師の個人差によるものが大きいところが難点。
縮毛矯正との付き合い方
縮毛矯正は繰り返すほど、髪の体力を消耗し髪のダメージが蓄積します。
髪のクセを矯正しながら前に矯正したところは、綺麗に保たれていることが理想です。
髪の伸びるスピードは1ヶ月で1〜1.5センチです。クセが気になるのは4センチ〜です。
縮毛矯正は新しく伸びた新しいくせ毛にアプローチします。
使用するアイロンの幅と厚みのこともあるので、6センチほど伸びてからかける方がいいと思います。
繰り返しでかけることを避けたい場合は、6ヶ月に1度しっかりと綺麗に縮毛矯正をして1年に2回程度にすると、
髪のダメージを蓄積することなく綺麗な髪をキープできると思います。
6ヶ月の間に前髪のクセが特に気になる方は、気になる箇所だけポイントで縮毛矯正をすることをおすすめしています。
毎日アイロンでスタイリングをして熱によるダメージの蓄積をするより
縮毛矯正をかけて乾かすだけでスタイリングできる方が良いというアプローチです。
その他に縮毛矯正による髪全体の硬さや引っ掛かりが気になる場合は、
髪質改善トリートメント(Tender Rトリートメント)をおすすめしています。
髪の質感が柔らかくなり、酸性トリートメントによる架橋効果で、縮毛矯正の補修もできます。
2〜3ヶ月に1回の縮毛矯正を繰り返すという付き合い方はおすすめしません。
・まとめ
今回は縮毛矯正によるダメージの解説をしました。
縮毛矯正によるダメージで一番被害を受けるのは言うまでもなく“お客様“です。
しかし、お客様に縮毛矯正の失敗について明確に説明し謝罪する美容室・美容師と出会ったことがありますか?
「どういう理由で私の髪がこの状態になったのか?」
これが分かれば解決方法が見つかります。
縮毛矯正でダメージを受けたとしても、直せる方法はあります。
しかし原因がわからなければ、修正する方法を間違える可能性があります。
お客様に縮毛矯正は『美容室側にとっても難易度の高い、リスクのある技術である』ということを知っていただくことで、
低価格で短時間で完成するものではないことを理解していただきサロン選びに生かしていただきたいと思います。
縮毛矯正でお悩みの方は、縮毛矯正専門クリニックslutスット渋谷をおすすめいたします。
髪のダメージと髪質のクセのお悩みを分析し、それぞれのケースに寄り添った傷まない縮毛矯正施術をご提案いたします。
皆様のお役に立てれば幸いです。
